帯状疱疹ワクチン(シングリックス)の詳細ガイド
帯状疱疹の予防に有効な
シングリックス(不活化ワクチン)と
水痘ワクチン(生ワクチン)を取り扱っています。
それぞれの効果・持続期間・副反応・費用、公的補助制度について分かりやすく解説します。
馬場内科(福岡市城南区 内科・消化器内科)
① 帯状疱疹とワクチンの概要
帯状疱疹は、子どもの頃に感染した水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が体内に潜伏し、加齢や疲労・ストレス、免疫低下を契機に再活性化して発症します。
強い神経痛(帯状疱疹後神経痛:PHN)が長く残ることもあり、生活の質を損ねる病気です。
予防のためのワクチンは2種類あります:
- シングリックス(不活化ワクチン:サブユニット+アジュバント配合)
- 生ワクチン(水痘ワクチン)(弱毒生、50歳以上対象)
② シングリックス(帯状疱疹ワクチン・不活化)
対象・接種方法
- 対象:原則 50歳以上(免疫不全の方は18歳以上も可)
- 接種:2回の筋肉注射(通常0・2か月、最長6か月以内に2回目)
有効性・持続
- 帯状疱疹予防効果は90%前後と非常に高い
- 10年程度持続が期待される
- 帯状疱疹後神経痛(PHN)の抑制にも有効
- 免疫不全の方でも接種可能
副反応
- 接種部位の痛み・腫れ・発赤、倦怠感、発熱、頭痛、筋肉痛など(多くは2〜3日で改善)
費用
- 自費:21,800円 × 2回(当院・仕入れ状況で変動)
③ 生ワクチン(水痘ワクチンによる帯状疱疹予防)
特徴
本来は水痘(水ぼうそう)予防用ですが、50歳以上の帯状疱疹予防にも一定の効果があります。
対象・接種方法
- 対象:原則 50歳以上
- 接種:1回の皮下注射
- 免疫抑制状態の方は接種不可
有効性・持続
- 予防効果:約50〜60%
- 持続期間:約5年
費用
- 自費:8,500円(当院・仕入れ状況で変動)
④ 水痘ワクチン後のシングリックス接種と比較表
水痘ワクチン接種後のシングリックス
- 水痘ワクチンを受けた方もシングリックス接種可能
- 接種間隔は数年〜5年程度あけるのが一般的(医師判断)
- 水痘→シングリックスの長期データは少ないが、シングリックス単独の有効性は確立
比較表
項目 | シングリックス(不活化) | 生ワクチン(水痘) |
---|---|---|
対象 | 50歳以上(免疫不全の18歳以上も可) | 50歳以上(免疫抑制は不可) |
接種 | 筋注×2回(0・2か月) | 皮下注×1回 |
有効性 | 約90% | 約50〜60% |
持続 | 10年程度 | 約5年 |
PHN抑制 | 高い | 一定の効果 |
免疫抑制者 | 接種可 | 接種不可 |
副反応 | 痛み・発熱やや強め | 軽度が多い |
費用 | 21,800円×2回(変動あり) | 8,500円(変動あり) |
⑤ 公的補助(福岡市)と当院での確認事項
福岡市では帯状疱疹ワクチン接種に対する助成制度があります。
詳細は以下のページをご覧ください。
👉
福岡市における帯状疱疹ワクチン助成の詳細はこちら
⑥ 接種の流れ・注意点
- 外来での事前相談(既往歴・服薬・免疫状態の確認)
- ワクチン取り寄せ・予約
- 接種(シングリックスは原則2回/生ワクチンは1回)
- 副反応の説明・生活上の注意(入浴可、激しい運動は控える等)
接種を避けるべき場合:
明らかな発熱、急性疾患、成分アレルギー、医師が不適当と判断した場合など
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カテゴリ:予防接種(/vaccine/)