肝炎
肝炎は肝細胞に炎症が起こる疾患群で、B型・C型ウイルス性肝炎のほか、脂肪肝性、薬剤性、自己免疫性など多様な原因があります。
C型肝炎は、かつて肝硬変・肝がんへの進行リスクが高いとされていましたが、近年登場したインターフェロン非使用の直接作用型抗ウイルス薬(DAAs)により、治癒率がほぼ100%に達しています。
B型肝炎では、ウイルス排除は困難ですが、核酸アナログ製剤によりウイルス増殖を抑える長期管理が可能となり、肝がん予防効果も報告されています。
また、近年注目されるのが非アルコール性脂肪肝炎(NASH)による肝炎で、食事・運動療法が第一選択とされる一方、新規治療薬(GLP-1受容体作動薬など)の開発も進んでいます。
薬剤性肝障害や自己免疫性肝炎は、稀ながら重症化する例もあり、的確な診断と治療が求められます。症状に乏しいまま進行することも多く、健診やウイルス検査、脂肪肝の画像診断による早期介入が鍵となります。
カテゴリ:肝・胆・膵(/disease/hepatobiliary/)